核酸を

今月は地貝のパスタをご提供しております(昨年記録的豊漁だった鳥貝は今年記録的不漁・・・)。ミル貝や青柳でご用意しております。

貝類はアミノ酸やコハク酸の旨味がありますが、イノシン酸は含まれておりません。別の食材で補ってあげることで相乗効果が出ます。候補としては鶏、鰹節、煮干し、、、いろいろ試してみた結果、小女子(玉筋魚)をさっとゆでて、36時間(20時から日を跨いで8時まで、天気予報で湿度の低い日に)干して砕いたものを使うことにしました。

ちなみに、三河湾の小女子漁は不漁どころか、2年連続禁漁が決定しております。そのため、大阪湾のものを使っております。

ご家庭で、帆立や浅利のパスタを作られる際は、鰹節や鶏の出汁(パックのものでも○)、干し椎茸の出汁を少し入れてみるといいと思います。小女子や煮干しは少々手間がかかるので・笑。貝類のパスタに醤油や野菜、ニンニクやチーズなどを加えてもアミノ酸が増えるだけで、相乗効果は生まれません。

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三重県産ムラサキ雲丹

尾鷲の雲丹です。これから9月ぐらいまでの漁期です。ミョウバン無添加、余韻に雑味のない、きれいな味わいが特徴です。それでいて濃厚な面もありますので、ワインは甘め(カテゴリーは辛口ですが、葡萄を陰干しして糖度を上げたものを使用)の赤で合わせます。

雲丹と言えば北海道が定番ですが、当店では三重県の雲丹を積極的に使わせていただきます。

ちなみに写真は雲丹3~4個分です。海女さんが盛り付けてくれて、出荷されます。とげも元々はもう少し長いのですが、切ってくれています。

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味と触感

柔らかくて美味しい、サクサクして美味しい、モチモチして美味しい、これらを外国語に訳すのはとても難しいです。

外国人にとって味と触感は別物です。柔らかい and 美味しい なら通じます。しかし、美味しい because 柔らかい は意味不明のようでした。私は会社員時代、外国人と仕事する期間が5年ぐらいありました。彼らと食事をするたびに、日本人にとって触感がとても重要であること、もっと言うと、触感が味に影響を与えることを痛感しました。外国人は触感と味は別で捉えているように感じました。

牛肉の炭火焼、最も高価な部位の一つにヒレがあります。しかし、肉屋さんなどの肉に詳しい人、肉をたくさん食べている人ほど、「ヒレは柔らかいけど味が薄い、ももの方が少し硬いけど味は濃い、外もものハバキという特に固いところが一番好き」と言ったりします。(ハバキは本当に硬くてお客様には怖くて出せません、苦情になりそうで・・・笑)

先日、ちょっとしたきっかけがあって、ヒレを仕入れてみました。試作がてら焼いてみて、妻と食べてみました。二人とも「柔らかくて美味しい」と言ってしまいました・笑。試しに3月の最終盤にお客様にお出ししました。何人かの方が「柔らかくて美味しい」と喜んでおられました。

ということで、牛肉はヒレも使ってみようと思います。ずっと、ももの真ん中の部位、”シンシン”の一辺倒だったので。シンシンはシンシンで肉の味がしっかりして私は大好きです。


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閑話

少し前にネットニュースで大きく取り上げられたバイトテロ。

私が雇い入れている方の一人に、宅配寿司店で、それなりの地位まで登り詰めた方がいました。銀の・・・です・笑。宅配寿司のシェアを半分以上持っているマンモスすし店です。利用されたことのある方も多いと思います。

その方とはよく口論になりました。「鮪は冷凍使った方がいいですよ、ロスがなくなりますから、銀の・・・では私が仕入任されてから全部冷凍に代えました」「巻物は酢飯とネタの割合は70:30がベストです、大手の回転寿司はだいたい80:20です。コストの問題で。銀の・・・は高級宅配寿司なので具が多いんです」「白身は冷凍のフィレになっているものを仕入れれば、魚を捌く手間が省けます」「おぼろは化学調味料使った方が色が映えますよ」

それに対し私たちは「冷凍ものは使いません」「巻物の酢飯とネタの割合は60:40でお願いします」などと応えます。品質に関わる部分は譲れません。

大手の寿司店はコスト優先です。それはそれで低価格で寿司をお客様に提供している点で素晴らしいことです。しかし、寿司が大好きで大手に社員やバイトとして働き始め、何もかもコスト、コストと言われたらどんな気持ちになるでしょうか。ひどい寿司店になると、脂のない低品質な鮪にサラダ脂を塗って”トロ”としています。従業員がこの店の寿司はひどい、それを世の中に知らしめたい、と思っても不思議ではありません。その手段がネットニュースになったようなやり方は間違っているとは思いますが・・・。

バイトテロを起こした方、もしかしたら寿司に情熱をもっていた方かもしれません。同じ業界で働き、大手寿司店の裏事情を知る者としての、違った角度からの見方をお伝えしたく、今日はこのような記事となりました。

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空席

本日29(金)、年度末の金曜ですが、1組4名様程度まで空きがございます。レストラン難民の方、いかがですか?当日予約が入る前提で仕入してきました・笑

本日のメニュー

①クエのカルパッチョ、②蛤と白菜菜花のスープ、③1.5k超えノドグロ炙り、④朝採れ筍の自家製タリアテッレ、⑤毛蟹の自家製ピチ、⑥黒トリュフのお皿、⑦安城和牛、⑧雲丹とフォンドヴォーのリゾット、⑨グラススイーツ

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美浜町の、土から出てくる前の、朝取れのものを使わせていただいております。あく抜きはしません。あくがないので。その分、筍の旨味を流出させずにすみます。

4月になると、スーパーでもお手頃価格で買える食材ですが、その頃の筍はあく抜きが必要です。あく抜きせずに食べると、2,3時間ほど胃がムカムカしてしまいます。

市場でも筍が出回っていますが、いつ採れたものか、どんな状態で採れたものなのか分からないので、火の入れ方に困ります、というよりも、あく抜きするしかありません。あく抜きせずに火入れして、もしあくがあったら捨てることになってしまうので。

ただ、土から出てくる前の筍堀は相当大変なようで・・・。そりゃそうですよね、どこに筍があるか分からない状態で掘るわけですから。

先日は1k掘るのの1時間掛ったそうです。月並みな表現になりますが、農家さんに感謝・感謝です。

ただ、毎日掘るわけにもいきませんので、ある日もない日もありました。なかった日にご来店のお客様には申し訳なかったです。

レストランの役割、、、セレクトショップのような役割も重要かな、改めて強く思います。市場に行って誰でも買えるものを仕入れるだけではなく、いろんな方の力を借りて、いいものを探す仕入れる。この点、最近力を入れています。

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ピチ

私たちが最も好きなパスタの一つ、ピチ。5年ぶりに作ってます。なんと言っても手間が掛かります・笑。このパスタ作ってるお店に悪いお店はありません!(←個人的な意見、つまり偏見です・笑)

当店で扱う食材は極力日本のものを使っておりますが、このパスタはイタリア産のセモリナ粉と00粉をメインに打っています。今月は蟹の殻と香味野菜から取った出汁(グルタミン酸)、貝類から取った出汁(コハク酸)、煮干から取った出汁(イノシン酸)の相乗効果を狙ったソースに絡めてご提供しております。

なお、来月は三河湾の稚鮎を使って、自家製煮干しを作る予定です。原価大丈夫かな…笑。世の中の煮干しのほとんどは鰯が原材料です、なぜか。その辺りを考えた結果、稚鮎を使ってみることにしました。

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外食

先日、富山に器の発注に出張したのですが、その前日に富山の前衛的地方料理と回転寿司を経験してきました。

上の写真は前者、氷見の寒鰤と蕪とキャビア、鰤の血合いのソース。全10皿ぐらいでしたでしょうか。美味しいお皿も多々ありまし、このお皿も美味しかったか、美味しくなかったか、で言えば美味しかったです。手間もとても掛かっていることが容易に想像できます。ただ、回転寿司の鰤の方が鰤を食べている実感がありました。

当店も、2018年は皿数にこだわって、最高18皿のコース料理を企て、今は止めています。そして、今後、皿数にこだわったコース料理はやらないと思います。

なんか、歯切れの悪い記事で、失礼しました。

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屋号変更

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55627

現在はnagoya murata、旧名は魚介のイタリア料理murataです。店名から”魚介”と”イタリア料理”を外し、”nagoya”を加えました。

”イタリア料理”を外した理由は、昨年11月に名古屋前ちらし鮨 粋をオープンするにあたり、酢、醤油、味醂などの調味料に出合い、それらを使ってみたくなったからです。日本伝統の調味料を使いながら”イタリア料理”を名乗るのもどうかと、、、。一方で、リンク先のように、現地フランスのフランス料理店の料理人が醤油を使う時代でもあり、気にしなくてもいいかな、と思ったりもしたのですが、私の知る限りでは現地イタリアで醤油などを使ったレストランを知らないので、やっぱり外そうか、と。

”魚介”を外した理由は、そもそも新規オープンにあたり、”魚介”を付けた理由が、お店の個性とか差別化とかを意識してのことです。名古屋はイタリアンレストランがたくさんあり、少しでも屋号で特徴を出したいと思ってのことでした。

しかし、醤油などの日本の調味料とイタリアの調味料を使った、アミノ酸と核酸の相乗効果を狙った料理、で個性を出していこうと考える中で、さらに魚介に絞ってしまうと、ニッチにも程があるかな、と思いまして。また、肉は核酸に溢れていますので、相乗効果を考えると重要な食材になってくる、という点も大きいです。

※例えば、今月は”牛すじから取った出汁
(脂は取り除いています)と雲丹のリゾット”をご提供しております。

”nagoya”を付けた理由は、使い古された言葉ですが、地産地消。これだけ物流が発達しているので、北海道のものでも美味しいものは使いたい、と思います。ただ、これだけのネット社会でもまだまだ知られていない、名古屋近郊の美味しい食材、調味料はたくさんありますし、もっと見つけられそうなので。

上記の雲丹のリゾットの雲丹は北海道産です・笑。秋から春の雲丹だけは・・・。

あと、いわゆるフルボディの赤ワインに合うような魚介料理を諦めました・笑。10年間挑戦しましたが、私には無理でしたwww。やっぱり肉。。。

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看板

昨日、お店の新しい看板が届きました。狙ったわけではありませんが、昨日で飲食店を始めて丸10年、今日から11年目に突入です。節目を迎えて、、、特別な感慨が、、、全くないですね・笑。毎日心を込めて仕込み、接遇です。

ただ、節目は振り返るにはいいタイミングと思います。昨年秋ぐらいからあれやこれやと考えていました。10年前は、とにかく手間のかかっても私たちがいいと思ったことは全てしていました。できていました。パスタの麺、出汁、その他もろもろ。というのも、週末のみの営業だからできていました。木曜、金曜に麺と出汁の準備、魚や野菜は営業前に仕込み。

4年半前に名古屋に移転して、営業が毎日になり、その辺りが徐々に手薄になってしまった感は否めません。また、食材を探す時間もなかなか取れず、毎月メニューは変えましたが、小手先の変更だった感も否めません。(その時々は精いっぱいのつもりだったのですが・・・)

昨年は、実は営業を休んだのは10日程度でした。年間です。とにかく口ではなく体を動かして、動かし続けて、効率が上がって、さぁ、そこで何を思うか、に興味がありました。そして、こう思いました。今一度、効率を考えないようにしよう、と。飲食店開業関係の本にはたいていこう書いてあります。仕込みは効率よく、接客は効率を考えない。接客はもちろん仕込みも効率を考えないことにしました。

いくら手間をかけてもお客様に伝わらなければ意味がない、という考えが私の頭を支配していましたが、そうではなく、私たちが考えうる全ての手間をかけて、その上で、お客様に伝える努力をしよう、と。

そこで、昨年秋に仕込み専任スタッフを一人雇いました。主に、麺、出汁、デザートの仕込みの中で機械的にできることをお願いしております。毎月のメニューも小手先の変更ではなく、しっかりアミノ酸と核酸の相乗効果が生まれるメニューを考えていきます。そして、ブログでいろいろお伝えしていきます。毎日やります←撤回・笑

1食1万円のコース料理、とても高いと思いますが、必ずやご満足いただけるよう、今まで以上に努めていきます。私たちは魚介、小麦、ワインが大好きです。その点を私たちなりに表現し、共感いただけるよう努めていきます。11年目も引き続きのご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

店名変更の経緯を記すつもりが、脱線してしまいました・笑。明日にしますね。

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