バレンタイン

私たちがレストランを始めて来月で10年になります。つまり、バレンタインデーを10回営業していますが、女性が男性にプレゼントする光景をほとんど見たことがありませんでした。が、昨日は3組様ともプレゼントを渡されていて、このイベントでレストランを使っていただくこともまだまだあるんだなぁ、と、不思議と嬉しくなりました。

写真は当店のデザートと、プレート・キャンドルと、そしてme babygreens & edible flowersさんのエディブルフラワー。無農薬でこういった花を作られている農家さんは極めて少ないと思います。一度お邪魔したのですが、とても丁寧に作られています。何かのイベントにこのような装飾、いかがですか。

閑話

コース料理を外食してたいていのお店で思うこと
・量が多い(私たちにとって)
・塩が弱い(私たちにとって)

近所によくお邪魔するイタリアンがあるのですが、アラカルトなので量は調整できますが、塩は行くたびに弱くなっていき、先だっては、パスタとは別のお皿でにパルミジャーノチーズが提供されました。塩気は自分で調整してください、ということだと思います。とても残念です。

”量”と”塩”。量が少ない、塩が強いは大きな苦情になりやすいです。逆に量が多い、塩が弱いは大きな不満にはなり難いので、苦情として挙がってくることが少ない、と考えています。ですので、コース料理で提供するお店は量多め、塩弱め、にする傾向があるように思います。

私たちのお店は、名古屋のレストランの中では相対的に量少なめ、塩強め、です。もちろん、私たちは丁度いいと思ってご提供しております。お腹いっぱいで最後のお皿やデザートを口にするのは多少苦痛ですし、残すことはそれ以上に苦痛です。塩が弱いお皿は素材の味が分かりにくく、やや残念に思います。

量については先月から大盛もご準備しました。
塩については、標準的な人間の血液の塩分濃度から一口に含まれる塩の量を、一食に必要な塩分からコース全体の塩の量をロジカルに算出しています。数ヶ月に一度ぐらい「しょっぱい」とのお言葉頂きますが、この点についてはブレずに、私たちのロジックを大切にしています。今までに一度だけ「塩ください」と言われたこともあります・笑。

当店の塩は、ソースよりも素材にあてることが多いので、家庭で口にするお皿、例えば塩をしていないお刺身に醤油をつける、に比較して同じ塩分量でもしょっぱく感じやすい、という面はあります。

ペアリング

今月から、お料理8皿に合わせてワイン又は日本酒を8種類、ペアリングという言葉をメニューに掲載したところ、7割ぐらいのお客様からご注文いただき、驚いております。
従来より、お料理ごとにワインをご用意していたのですが、ペアリングという言葉は使っていませんでした。理由は、お客様のお飲みになるペースを乱してしまうのでは、と思ったからです。次のお料理が出てきたら、その前のお料理に合わせたワインは飲きらなければ、みたいなストレスがかかるかな、と。

そこで、少量(45ml)から、ご用意するとともに、途中で量を変えても、止めてもOK、というラフな感じにしました。

料理とワインのマリアージュ、という言葉がありますが、そもそも料理の中にも色々な味が重なっており、その加減、塩梅を料理人が決めるわけですが、料理とワインのマリアージュとなると、更に味が重なります。そこまで考えて味付けする必要があります。回りくどくなりましたが、ワインを飲むか飲まないかで、料理の味のバランス感が変わってきますので、ペアリングされる方とそうでない方とで味付けを変える必要があると考えています。

具体的には天ぷらを塩で食べる際に、柑橘の酸味が欲しいとします。天ぷらにレモンを添えるのもいいですが、ペアリングのお客様には柑橘の酸をダイレクトに感じるワインをご用意して、天ぷらには敢えてレモンを添えない、ペアリングをご注文いただいていないお客様には添える、といった感じです。

難し所はもちろんありますが、小さなレストランで、かつ、コース料理のみ提供するレストランならでは!という感じもしますので、挑戦しています。

あと、当店ではワインを抜栓後、すぐに真空保存容器に入れます。そのためワインのロスが全くなく、お安く提供できます。今月は1万円を超えるワインもペアリングに入れてました・笑。ただ、背反としては、お客様の前でお注ぎすることができません。真空容器からお客様の前で注ぐのは、さすがに雰囲気が悪くなりますので・・・。バックヤードで、きっちり量ってご提供しております。

余談ですが、営業終了後のグラス洗浄に時間が掛かり、12月より帰宅時間が15~20分ぐらい遅くなっています・笑

ウーバーイーツ

姉妹店、名古屋前ちらし鮨のことですが、来月からウーバーイーツのサービスを利用させていただくことになりました。それに先立ち、写真撮影があったのですが、登場したのは外国人。
「ワタシー、ニホンゴー、チョットダケー、シャベレマス」
といった感じでした・笑
ワールドワイドな会社だと、こういうことが普通にあるんですね。

勉強

本日は営業はお休みをいただいておりまして、最近購入した本の読み込み。世界の料理人絶賛の名著らしいです・笑

あまりにも分厚く、ボリュームもすごいので、今日は内容の整理のみ、明日以降時間を見つけて練習していきます。

他店に勉強のために食べに行った際、味付けはだいたい想像がつくのですが、見せ方や食感は想像がつかないことが時々ありました。その大半がこの本で解決できそうです。調理器具、進化がすごいですね。逆に、それさえ持ってれば誰でも…みたいな面もあって少し怖いですが、、、そんに時代ですが、オリジナリティを出せるよう、試作・試作・試作ですね。

おせち

三重県のとある有名日本料理店のおせち。美味しかったです。妻は今までいただいた中では一番、と喜んでました。ただ、やっぱり冷たいのが、、、仕方ないんですけどね。
改めて、レストランでは“出来立て”をお出しすることの大切さを感じます。

新年

明けましておめでとうございます。
穏やかな青空のもと、皆様いかが元旦をお過ごしでしょうか。
私は、ここまで穏やかだと、「今日漁師さんが船出してくれれば魚、沢山揚がるのになぁ」と思ってしまいます・笑。

さて、唐突てすが、昨年最も感銘を受けた本の一つ、西野亮廣さんの「新世界」。

この中で西野さんは、これからは認知度ではなく、信用度の時代、“人”の信用度が可視化(数値化)され、お店選び・お店検索は、人選び・人検索に変わっていく、と記しています。

そんな時代にお店を構えている私たちですので、信用を失わないように、信用を築き上げられるように、努めていきます。

昨年1月に5,000円のコースを止め、11月に7,000円のコースを止めました。どれだけお客様が減ってしまうんだろ、と、ボーッとしていると不安が押し寄せてくるので、不安を感じる暇がないほど創作、試作、練習を繰り返しました。

結果的に、11月、12月も多くのお客様にご来店いただくことができました。料金は上がったけど、きっと価値も上がってるはずだから行ってみよう、そう信じてくださったお客様がいらっしゃったからだと思います、本当にありがとうございました。

そんなお客様からの期待、信用を裏切らないよう、ご来店の度に新しい価値をご提供できるよう、まずは嘘をつくことなく、そしてお客様のお気持ちを第一に考えながら頑張っていきます。今年もご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

お礼

皆様、今年もありがとうございました。

元々趣味がいくつか(将棋、テニス、スポーツ観戦、競艇など)あったのですが、今年はほとんどしませんでした。理由は仕事の方が楽しかったから。今日は34日ぶりの営業休日ですが、来月のメニューの試作を楽しんでおります。

楽しくなった理由の一つに、いろんな方との繋がりが拡がって来たことが挙げられます。器作家さん、農業経営者、地方卸売市場の仲買人、調味料生産者、同業者など。彼らの話を聞き、彼らの造ったものを手にし、口にし、大きな刺激を得てまた厨房に向かう。この繰り返しに興奮がありました。

また、お客様にも恵まれました。温かいお皿を温かいうちにお召し上がりいただける方ばかりになりました。大騒ぎしたり、下品な話をされる方がいなくなったため、同席されるお客様が“不運”によって不快になることがなくなりました。とても嬉しいことです。

さらに、連続何十日とか営業すると、不思議と課題が見えてきます。即座に改善するので、自らの成長を実感でき、これも楽しさに繋がります。中学の部活の顧問が1日休むと力が3日前に戻ると仰ってました。積み重ね・継続こそ大事、使い古された言葉ですが、実感としてあります。

あと、今年はノーショーがゼロでした・笑

さて、来年からは醤油、味噌、味醂を使ったお皿を取り入れていきます。皆様のご期待に応えられるよう、勉強し、練習します。それを続けます。来年もどうかご贔屓に!

写真は最終日の最後のお皿。毎年12月30日は一番高い魚を仕入れています。今年は1.24kの甘鯛、1匹1万超え・泣、もとい、・笑。来年の12月30日のご予約、いつでもお受けできます・笑

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。

お知らせ

姉妹店、「名古屋前ちらし鮨 粋」を11月1日にオープン予定ですが、工事が順調に進んでいるため、前倒しできそうです。
そこで、10月24日(水)~29日(月)まで、当店「魚介のイタリア料理murata」をご利用いただいたことのあるお客様限定で、通常2,000円の並ちらし鮨を1,000円(←ほぼ魚介の原材料費)にてご提供いたします。

この期間のみ事前にご予約が必要です(11月1日以降はご予約不要です)。
・ご人数
・お時間11:00 or 12:00 or 13:00
をお伝えくださいませ。(052-414-5342)

いつもと違う店舗、いつもと違うお料理で皆様をお迎えできることを楽しみにしております。

魚介のイタリア料理murataでは、家族が食べていける分+αの利益をいただいております。それは私腹を肥やして、いい車に乗りたい、大きい家に住みたい、贅沢したいという思いからではなく、もっと世の中の、は大げさかもしれませんが、名古屋とその近郊の方のために、何か自分にできることはないか考え、実行に移したい、という思いからです。

名駅エリアには、気軽に(できるだけ安く)美味しい魚を食べられるお店が少ないと感じています(本当は少ないではなく”ない”と言いたいところですが、名駅エリアの飲食店の全てを訪問したわけではないので・・・)。それ故、そんなお店を作るために皆様から頂戴したお代を使わせていただいております。

また、私事ですが、父が40代に病から失語症になり、働けなくなった姿を目の当たりにしました。日常生活に周りのサポートが必要な中で、自身は誰のサポートもできない、誰かの役に立つことが難しい、とてもつらそうな生活でした。ですので、そういう症状があっても働ける、誰かのためになる、社会に貢献できるような環境の飲食店を作りたい、そんな考えもあります。

挑戦だらけの門出ですが、是非とも応援のほど、よろしくお願いいたします。私たち夫婦が美味しいと思う、週一で食べたいと思うちらし鮨をご提供することをお約束いたします!(オープン時のご提供は諦めかけていたオリジナル”玉”、昨日ご提供できるレベルになりました!)

安室さん引退

先月はこの話題一色?でしたね。実は、当店も引退を惜しみつつお別れの意味を込めて?沖縄食材をドルチェに盛り込みました。沖縄産黒糖、沖縄産雪塩、沖縄産ラム酒。妻曰く、「多分安室さんのファンなんですか?って何回か聞かれるよ」。

結果は、、、ご推察の通りです・笑