シズ

別名豆鯛です。
私たちが外食してもあまり見かけない魚ですが、市場では結構人気で、水揚げが少ない日は朝一で完売してしまいます。
写真は20cm超え、ここまで大きいのは私も初めて見ました。
魚屋さんに、「今日シズでかいですね」と言うと、「てっぺん買ってきた」との返答。
てっぺん、つまり、その日、シズのセリで一番に掛かったものです。
ただ、一番と言っても日比野にある中央卸売市場での一番ではなく、形原の小さな市場での一番ですけどね。
シズは近海ものだけではなく、和歌山や愛媛などの産地のものが中央卸売場でセリに掛かります。
でも、私は近海ものを仕入れます。一日早く手にできるので。
形原、三谷、幡豆などの小さな浜(漁港)から柳橋まで来てくださってる方から仕入れることが多いですね。

10月の1皿

皮目を軽く炙った北海道産本ししゃもの雄
赤城しぐれ大根のピクルス
貝割れ
なるべく大柄なものを仕入れております。
お一人様1匹になります。

本ししゃも

ししゃもという名前で流通しているものの9割が樺太ししゃものようですが、本ししゃもと比べると、味は全く別物です。
その昔、本ししゃもが取れなくなった時代に、本ししゃもに姿形が似ている魚として、樺太ししゃもが多く輸入されるようになり、ししゃもと名乗って売られるようになりました。
太刀魚の大型なものを見かけなくなったので、今週初めぐらいから本ししゃもを前菜で使っております。
卵に栄養を取られない雄限定で仕入しており、北海道から空輸なので、皮目を軽くあぶってレアでご提供しています。
なお、漢字名は柳葉魚で、散っていく柳の葉に向けて不漁に困っていた漁師が魚に取って代わって欲しいと念じたところ、カムイ(神)が柳の葉を魚にした、という説があります。

1週間天日干しの鰤

いい色が出ています。
自家製のコラトゥーラ(アンチョビを作る過程でできる上澄み液で)マリネし、酸化を極力防止しています。
これを作り始めて5年目ですが、年々美味しくなっていると感じています。

あと、鰤と言えば12月、1月の富山氷見産が一番、という方もいらっしゃると思いますが、高いレベルで安定的に供給されるのはこの時期の北海道産だと思います。
脂ののった鰯や秋刀魚を食べていますので。

昨年の晩秋に富山の有名なお鮨屋さんで氷見の鰤をいただきましたが、いまいちでした。
それは大将も分かっていて出しているのですが、観光客が多いらしく、鰤は品質に関係なく外せないようでした。
北海道経由で氷見に来るわけですが、脂がのったままの鰤もいれば、多少痩せてしまったものもいるようです。

秋なのにのれそれ

写真はのれそれ、穴子の稚魚です。
春に市場でよく見かける魚ですね。
これを6ヶ月熟成してみました。
珍味です。烏賊の塩辛のニュアンス。
ただ、ワインとの相性があまりよくありません。
100円で10匹ぐらいお出しします。

10月の1皿

三河湾の天然車海老、又は三河湾の牡丹海老
(百貨店やスーパー等でよく見る牡丹海老の標準和名はトヤマ海老)
2ヶ月ほど追熟させた打木赤皮甘栗南瓜とマスタードのソース
レッドソレル

時々「海老の頭はどうしているんですか?」とご質問いただきます。
出汁を取ってパスタやリゾットに少し入れています。
(今月はリゾット)

オーガニックファーマーズ朝市

最近、産直という言葉をよく耳にします。
魚や野菜を産地から直接レストランへ送ってもらう、という意味の産直もあるかと思います。
しかし、私たちのような小さなレストランでは、送料の負担を考えると、毎日産直で魚と野菜を仕入れるのは現実的ではありません。
そんな中、久屋大通のオアシス21では毎週、新鮮な野菜を届けてくれる生産者がいます。
これ以外にも、当店の近所でいろんな生産者又は生産者に近い方が朝採れ野菜を販売しに来てくれます。
本当にありがたい話ですし、いい時代だなぁと思います。
今日は朝柳橋で魚を仕入れ、水洗い(鱗や腸など菌の多い部分の除去など)し、オーガニックファーマーズに野菜を仕入れに行きました。

月夜

月夜は漁すべからず
なんていう言葉があるようです。
漁に出ても、月の光が強すぎて魚が警戒心を持ち、網に掛からないようです。
もちろん、漁法によっては関係のないものもあるようですが。
ここ数日は全国的に水揚げが少なく、価格がやや高騰気味です。
高いだけならまだいいのですが、なくなってしまって買えないと大変です。
普段は6時起きで市場に向かいますが、こういう時期は5時半起きですね。

天然鰻

浜名湖の下り鰻をご準備しております。
特に水温が下がりはじめる10月頃の、冬眠に備えてたくさん栄養を蓄えた、川や湖で成長して産卵のため川を下り出す鰻です。
肉厚で力強い味わい、十分にのった淡白な脂が特徴です。
ほぼ原価でお出ししています。ご興味のある方は是非。