本日29(金)、年度末の金曜ですが、1組4名様程度まで空きがございます。レストラン難民の方、いかがですか?当日予約が入る前提で仕入してきました・笑
本日のメニュー
①クエのカルパッチョ、②蛤と白菜菜花のスープ、③1.5k超えノドグロ炙り、④朝採れ筍の自家製タリアテッレ、⑤毛蟹の自家製ピチ、⑥黒トリュフのお皿、⑦安城和牛、⑧雲丹とフォンドヴォーのリゾット、⑨グラススイーツ
美浜町の、土から出てくる前の、朝取れのものを使わせていただいております。あく抜きはしません。あくがないので。その分、筍の旨味を流出させずにすみます。
4月になると、スーパーでもお手頃価格で買える食材ですが、その頃の筍はあく抜きが必要です。あく抜きせずに食べると、2,3時間ほど胃がムカムカしてしまいます。
市場でも筍が出回っていますが、いつ採れたものか、どんな状態で採れたものなのか分からないので、火の入れ方に困ります、というよりも、あく抜きするしかありません。あく抜きせずに火入れして、もしあくがあったら捨てることになってしまうので。
ただ、土から出てくる前の筍堀は相当大変なようで・・・。そりゃそうですよね、どこに筍があるか分からない状態で掘るわけですから。
先日は1k掘るのの1時間掛ったそうです。月並みな表現になりますが、農家さんに感謝・感謝です。
ただ、毎日掘るわけにもいきませんので、ある日もない日もありました。なかった日にご来店のお客様には申し訳なかったです。
レストランの役割、、、セレクトショップのような役割も重要かな、改めて強く思います。市場に行って誰でも買えるものを仕入れるだけではなく、いろんな方の力を借りて、いいものを探す仕入れる。この点、最近力を入れています。
私たちが最も好きなパスタの一つ、ピチ。5年ぶりに作ってます。なんと言っても手間が掛かります・笑。このパスタ作ってるお店に悪いお店はありません!(←個人的な意見、つまり偏見です・笑)
当店で扱う食材は極力日本のものを使っておりますが、このパスタはイタリア産のセモリナ粉と00粉をメインに打っています。今月は蟹の殻と香味野菜から取った出汁(グルタミン酸)、貝類から取った出汁(コハク酸)、煮干から取った出汁(イノシン酸)の相乗効果を狙ったソースに絡めてご提供しております。
なお、来月は三河湾の稚鮎を使って、自家製煮干しを作る予定です。原価大丈夫かな…笑。世の中の煮干しのほとんどは鰯が原材料です、なぜか。その辺りを考えた結果、稚鮎を使ってみることにしました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55627
現在はnagoya murata、旧名は魚介のイタリア料理murataです。店名から”魚介”と”イタリア料理”を外し、”nagoya”を加えました。
”イタリア料理”を外した理由は、昨年11月に名古屋前ちらし鮨 粋をオープンするにあたり、酢、醤油、味醂などの調味料に出合い、それらを使ってみたくなったからです。日本伝統の調味料を使いながら”イタリア料理”を名乗るのもどうかと、、、。一方で、リンク先のように、現地フランスのフランス料理店の料理人が醤油を使う時代でもあり、気にしなくてもいいかな、と思ったりもしたのですが、私の知る限りでは現地イタリアで醤油などを使ったレストランを知らないので、やっぱり外そうか、と。
”魚介”を外した理由は、そもそも新規オープンにあたり、”魚介”を付けた理由が、お店の個性とか差別化とかを意識してのことです。名古屋はイタリアンレストランがたくさんあり、少しでも屋号で特徴を出したいと思ってのことでした。
しかし、醤油などの日本の調味料とイタリアの調味料を使った、アミノ酸と核酸の相乗効果を狙った料理、で個性を出していこうと考える中で、さらに魚介に絞ってしまうと、ニッチにも程があるかな、と思いまして。また、肉は核酸に溢れていますので、相乗効果を考えると重要な食材になってくる、という点も大きいです。
※例えば、今月は”牛すじから取った出汁
(脂は取り除いています)と雲丹のリゾット”をご提供しております。
”nagoya”を付けた理由は、使い古された言葉ですが、地産地消。これだけ物流が発達しているので、北海道のものでも美味しいものは使いたい、と思います。ただ、これだけのネット社会でもまだまだ知られていない、名古屋近郊の美味しい食材、調味料はたくさんありますし、もっと見つけられそうなので。
上記の雲丹のリゾットの雲丹は北海道産です・笑。秋から春の雲丹だけは・・・。
あと、いわゆるフルボディの赤ワインに合うような魚介料理を諦めました・笑。10年間挑戦しましたが、私には無理でしたwww。やっぱり肉。。。
昨日、お店の新しい看板が届きました。狙ったわけではありませんが、昨日で飲食店を始めて丸10年、今日から11年目に突入です。節目を迎えて、、、特別な感慨が、、、全くないですね・笑。毎日心を込めて仕込み、接遇です。
ただ、節目は振り返るにはいいタイミングと思います。昨年秋ぐらいからあれやこれやと考えていました。10年前は、とにかく手間のかかっても私たちがいいと思ったことは全てしていました。できていました。パスタの麺、出汁、その他もろもろ。というのも、週末のみの営業だからできていました。木曜、金曜に麺と出汁の準備、魚や野菜は営業前に仕込み。
4年半前に名古屋に移転して、営業が毎日になり、その辺りが徐々に手薄になってしまった感は否めません。また、食材を探す時間もなかなか取れず、毎月メニューは変えましたが、小手先の変更だった感も否めません。(その時々は精いっぱいのつもりだったのですが・・・)
昨年は、実は営業を休んだのは10日程度でした。年間です。とにかく口ではなく体を動かして、動かし続けて、効率が上がって、さぁ、そこで何を思うか、に興味がありました。そして、こう思いました。今一度、効率を考えないようにしよう、と。飲食店開業関係の本にはたいていこう書いてあります。仕込みは効率よく、接客は効率を考えない。接客はもちろん仕込みも効率を考えないことにしました。
いくら手間をかけてもお客様に伝わらなければ意味がない、という考えが私の頭を支配していましたが、そうではなく、私たちが考えうる全ての手間をかけて、その上で、お客様に伝える努力をしよう、と。
そこで、昨年秋に仕込み専任スタッフを一人雇いました。主に、麺、出汁、デザートの仕込みの中で機械的にできることをお願いしております。毎月のメニューも小手先の変更ではなく、しっかりアミノ酸と核酸の相乗効果が生まれるメニューを考えていきます。そして、ブログでいろいろお伝えしていきます。毎日やります←撤回・笑
1食1万円のコース料理、とても高いと思いますが、必ずやご満足いただけるよう、今まで以上に努めていきます。私たちは魚介、小麦、ワインが大好きです。その点を私たちなりに表現し、共感いただけるよう努めていきます。11年目も引き続きのご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
店名変更の経緯を記すつもりが、脱線してしまいました・笑。明日にしますね。
化学の話になりますが、 グルタミン酸は、野菜や醤油などに含まれている旨み成分、 イノシン酸は主に肉類、魚類に含まれている旨み成分。そして、このイノシン酸、動物肉よりもむしろ魚肉に多く含まれます。
例えば煮干は、牛肉・豚肉の数倍のイノシン酸を含み、 アジやサンマも牛肉・豚肉の倍ほどのイノシン酸を含みます。 あと、日本でダシと言えばまず出てくるカツオ節、肉の数倍のイノシン酸を含んでおり、 イノシン酸のダシとしては最強です。
一方、自然な食べ物で最もグルタミン酸を豊富に含んでいるのは、昆布。 この昆布のグルタミン酸含有量は、 主に野菜の旨みと言われるグルタミン酸の中で最もグルタミン酸を多く含む野菜、トマトのおよそ16倍、もう圧倒的キング・オブ・ザ・グルタミン酸です。
もうひとつの旨み成分として知られるのは、グアニル酸。これは、シイタケの旨み成分として知られていますが、 グアニル酸を最も含む食材は乾燥シイタケ。ドライポルチーニも。
つまり、日本人は、外国人に比べてイノシン酸を含め、旨み成分が強いものばかりを食しています。
ところで、旨み成分は相乗効果があり、俗に言われるのは、グルタミン酸10に対してイノシン酸1で、人はとても美味しく感じるといいます。だからこそ、イノシン酸の旨みが強い食材を多々持っている和食は、 その10倍のグルタミン酸を求めて、一見グルタミンまみれ(笑)な傾向を持つのかもしれません。化学合成のグルタミン酸、味の素が日本で生まれたのは、ある意味当然です。
そして、醤油のグルタミン酸含有量は1.5%ほど、100g中何mgとかというレベルでなく、1500mg、とんでもないグルタミン酸の塊です。つまり、グルタミン酸最強調味料で味付けし、イノシン酸最強ダシによって旨みを付与しているのが、和食の基本です。和食の基本的な味の構成は、見事にグルタミン&イノシンの相乗効果です。
これだけでも、和食が洋食などと比較して旨みが強い味付けになっているのは間違ありません。ということで、日本人がいかに強い旨みを日常的に味わっている民俗かよくわかります。余談ですが、納豆を混ぜるとねばねばしてくるの、あれもグルタミン酸の塊。納豆のタレに「昆布ダシ」か「鰹ダシ」か。昆布ダシだと相乗効果は生まれませんので、普通納豆のタレはたいてい鰹ダシ。
一方で、イタリア料理はグルタミン酸の強そうな食材があります。イタリア人はトマトソースを良く使いますが、これもグルタミン酸。 あと、イタリアンでは比較的チーズをよく使いますが、これは昆布に次ぐグルタミン酸食品、あとアンチョビ。こうして見ると、イタリア人の旨み嗜好は、日本人に近そうです。イタリア人も日本人と並んで魚肉をよく食べます。魚肉には、ほかの肉よりも多くのイノシン酸を含んでいることは前述の通り。ということは、その10倍のグルタミン酸を求めて、トマト、チーズ、アンチョビなどでは足りない分のグルタミン酸を探し、組み合わせる必要があります。
そのあたりを今追いかけています。
日本人とイタリア人、その基本が他国よりも強いグルタミン酸嗜好なのではないのか? そのベースが昆布、醤油、塩辛などの日本、トマト、コラトゥーラ、チーズ、アンチョビなどのイタリア。
店名を今月から変えました。
nagoya murata
JAPANESE-ITALIAN
synergy
両者の相乗効果を研究していきます。
富山の釋永岳さんのギャラリーを訪問しました。器の話はもちろん、釋永さんは幅広い料理関係者と繋がりをお持ちなので、その辺りのお話もしながら。あっという間の2時間ぐらいを過ごさせていただきました。3種類ほど注文させていただき、1種類は既に使わせていただいております、残りの2種類は年末か、東京オリンピックの頃か、という感じです。釋永さん、お忙しい中お時間作ってくださり、ありがとうございました。
その他に、名古屋の野田里美さんの器も3種類発注しており、こちらも焼け次第納品いただける段取りになっております。
お料理、お飲み物はもちろん、器もお楽しみいただけるよう努めてまいります。お二人ともワールドワイドに活躍されております。まだまだ無名の当店のために器を焼いてくださり、感謝です。
一方で、今のお店をオープンしたころの、最近ほとんど使っていない器の置き場に困っています・笑。豊橋で営業していたころは、使わなくなったものから店頭で”ご自由にお持ち帰りください”としていました。すぐになくなりましたね・笑。