あけまして

おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

お正月と言えばお出汁に餅、海苔と醤油に餅、食べたくなります。ある時思ったのですが、定期的に食べたくなるものってシンプルな料理なのかもしれません。もちろん、シンプルといっても、出汁や食材など拘れるところはたくさんあります。

ある日の閉店後の話ですが、お店でそれぞれ少しだけ余ったワインを混ぜて飲んでみました。ブルゴーニュピノとボルドー、ブルゴーニュピノとシャルドネ、美味しかったです。ただ、また飲みたいか、と言われればNOです。それぞれの良さが全く分からなくなってしまいます。私は美味しければ何でも良いのではなく、例えばブルゴーニュピノの味がする美味しいブルゴーニュピノを定期的に飲みたいようです。

料理についても私の好みはシンプルなもの、です。雲丹と鮑を一緒に食べても美味しいですが、雲丹は雲丹、鮑は鮑で食べたい。どの食材も、言葉にすると「甘い」「旨い」などになってしまいますが、とても複雑な味わい、旨味です。複雑な味に複雑な味を足すと…超複雑…。酸味、苦味、渋味、甘味やミネラルなどは足したくなりますけどね。

シンプルと言ってもずっと同じものを作り続けるようなことはしていません。パスタやリゾットに使う出汁は常に改善しています。

また、昨年の後半からはパスタにオリーブオイルを使わない試みをしています。イタリア料理のパスタと言えばソースとオリーブオイルを乳化させて麺に絡める、ことが基本ですが、出汁をパスタに吸い込ませるイメージで仕上げることを始めました。染み込ませる上でオイルが邪魔だと言うことが分かりました。

火入れも常に改善です。昨年も鮑の火入れ、バーミキュラの操作ミスから新たな発見があり、微妙な調整を続けております。

食材探しも毎日のことです。昨年の12月、一ヶ月でもアカハナ(10k超えカンパチ)、大粒紫雲丹、特大ホタテ、青首鴨、国産黒トリュフなど初めて使ってみました。今年も色々探していきます。

今年も定期的に食べたくなるようなシンプルなお料理をご準備してお待ちしております。定期的と言っても冒頭のお餅の例のように一年に一回でも嬉しいですが、もう少し頻度が上がるともっと嬉しいです。毎月ですと最高に嬉しいです!(月に複数回はお勧めしません、飽きてしまいます・笑)

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