失敗

屋号を今年の3月に変更したのですが、元に戻すことにしました。名古屋には和のニュアンスを感じるイタリアンが溢れてるなぁ、と思い、いっそのこと将来的には和食屋さんにしようと思って変更したのですが、止めました・笑。

やはり、ワインとの相性を考えるとイタリアンの要素が必要ですし、あと、エゴサーチしても、ほぼほぼ皆様”魚介のイタリア料理”のmurataとしてアップしてくださっています。またお付き合いのある業者様も皆さんずっと”魚介のイタリア料理”のままでして。屋号って簡単に変更するものじゃないな、と改めて感じた次第です。戻すなら早い方がいいかと思い、HPは戻しました。看板は発注済といったところです。

私が17年ほど勤めていた会社は、入社当時は「豊田自動織機製作所」でした。しかし、そのころから”織機”の売上は会社全体の売上の5%未満で、社名が体をなしていない状態でした。あるタイミングで社名が変更になることになり、どんな名前になるのかな、と思っていたら「豊田自動織機」。びっくりしました。織機をほとんど作っていないのに社名に織機。

ただ、取引先からは「織機さん」ってよく言われていました。その辺りを大切にした決断だったんだなぁ、と最近気づきました・笑。名が体をなすことよりも、そういことが大事なんだと。

来月からは、改めて魚介のみでコースを構成し、お肉も選択できるようにしようかと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

そういえば月初にnagoya murataさん完全に死んだんだった、ちょうどいいか・笑

テレビの効果

8月11日に姉妹店を中京テレビ、大徳さんで取り上げていただきました。一週間前ぐらいに前撮りしていただき、当日夫婦二人、4時起きで仕込んで、7時からのリハーサルに間に合わせ、10:00の生放送でもう一度。田舎生まれの私としては、テレビ局に入れて、変な達成感がありました・笑。4分程度の放映でしたが、いい思い出になりました。唯一の後悔は、「控室ご準備しましょうか?」と言われ、「いやいやいや、取り上げていただけるだけで充分嬉しいので、簡易的な椅子の一つでもあれば」と応えてしまったこと。またとない機会なので、準備してもらえばよかったな~。

その後、お客様は少し増えましたが、想定外だったのが、姉妹店HPへのアクセス数。100倍ぐらいになり、広告収入もガッツリ伸びました!これ、全てmurataの原材料に充てます!

私たち、飲む食べる以外の贅沢に全く興味がないので、このような形で得られた収入は全てお客様のために使います。私は飲む食べる以外の趣味は将棋ぐらいで、SNSで一日2,3局対局し、負けたときは敗着を探して、あ~この手がいかんかったか~と頭を抱え、こんな生活ですこぶる幸せです。

あと、姉妹店が流行ったらそっちに力が入って、murataは大丈夫なの?との声が聞こえて、、、今のところきませんが・笑、一日限定20食で営業しており、あくまでも本業はmurataですので、ご安心くださいませ。

まだまだ暑い日が続きますが、こんな調子で日々頑張っておりますので、お時間ございましたら是非、当店へ足をお運びくださいませ。皆様のご来店、心よりお待ち申し上げます。

因果応報

あまり好きな四字熟語ではありません。会社員のとき、よく怒る(キレる)上司、先輩が、よくこんなことを言っていました。お前が俺を怒らせるんだよ。つまり、お前の言動が原因で俺は怒りたくもないのに怒ってるんだよ、と。何とも理不尽に感じました。

怒っているのは他者を威圧したい、権力を誇示したい、自分の言うことに従わせたい、など、本人に何かしらの目的があってのことです。そこを分かって怒る人はよかったですが、分からずに怒る人が上司になったりすると最悪でした・笑

ところで、また姉妹店の話で恐縮ですが、11日(日)放送予定の、中京テレビ大徳さんに取り上げていただけることになりました。とてもありがたいです。日頃の行いが良いのでしょうか・笑。あれ、murata さん、因果応報が好きなんですね。

苦情

姉妹店の話になりますが、オープンから9ヶ月で2件、同じ内容の苦情をいただきました。お鮨の持ち帰りだから、魚が傷んでいる、といった類の苦情を想像されるかと思いますが、実は酢飯なのです。

姉妹店では一般小売されていない赤酢を使っています。とても個性的な風味・旨味で、人によっては、においいが不快に感じるようです。同じメーカーの酢を使っているお鮨屋さんに相談したら“あるある”でした。また、この赤酢でガリを作ったら、大変(いろんな意味で)だったとのことでした。

この苦情は氷山の一角だと思います。メーカーも一定の割合で敬遠されることが分かっているから一般小売しないのかな、と想像します。

当店のお客様でも、姉妹店をご利用いただき、不快な思いをされた方がいらっしゃるかもしれません。申し訳ございませんでした。前日までにご予約いただければ白酢の酢飯をご用意できます。これに懲りずにどうぞよろしくお願いいたします。

天気

自分の力ではどうにもならないことの一つに天気があるかと思います。出掛けるとき、遊びはもちろん、仕事であっても、多少なりとも憂鬱です。私の場合、市場に行く時間帯だけでも雨があがっていてくれると嬉しいものです。

梅雨だから仕方がない、というだけでは済まされない職業の方々もいます。私の身近ですと農家さんたち。毎年のことだから慣れたものでしょ、と思いがちですが、今年ほど晴れ間のない梅雨は珍しいそうです。野菜が育つ前に花が散ってしまい、実が大きくならないものもあるようです。

私たちは、名古屋近郊の野菜が不作でも、今の流通が発達した時代においては野菜が手に入らない、ということはまずありません。少々高くなることはありますが。農家さんたちは数か月間の作業(仕事)が台無しになることもあるようで、今週こそは晴れ間が出るといいなぁ、と思って週間天気予報を見ると、、、太陽マークなし・涙。

一つ一つのお野菜、大切に使わせていただきます。

味を決める要素

あるフランスの有名な料理人が言われたそうです、素材・火入れ・ソースが三大要素。当店では今年から、牛と雲丹以外は名古屋の市場で手に入る一番いいものを仕入れています(牛と雲丹は青天井・涙)。また、素材とソースで、アミノ酸と核酸の相乗効果が生まれるような工夫を施していますが、もう一つ重要な要素がありました。作り立て。

当たり前すぎることかもしれませんが、飲食店は仕込みが7割とか8割とか言われてまして、お客様がご来店される前に目いっぱい仕込みをしておくことが重要と言われています。そうすることで、お客様ご来店後にスタッフに余裕が生まれ、より丁寧に接客できる、又は、お店によってはより多くのお客様を捌ける、という理屈だと思います。

私もずっと朝仕入れてきた食材を朝仕込んでいました。数ヶ月前からなるべく仕込みを減らし、どうしても事前に仕込みが必要な場合でも夕方に仕込むよう変更しました。それに伴って、海老・烏賊・貝などは夕方まで生かさなければいけないわけですが、、、何とかできるようになりました。作り立ても意識した当店のお料理、今月もどうぞよろしくお願いいたします。

なお、パスタは1日前に仕込みます。その方が美味しいと感じますし、理屈の裏付けもあります。(お客様の前でパスタマシンでパスタを打つお店を否定・批判しているわけではありません。その方が美味しいという意見もあるでしょうし、何といっても目で楽しめますので)

値付け

今日はお昼に娘とマクドナルドに行ってきました(ハッピーセットの付録が欲しいらしい)。詳しくは覚えていませんが、500円の何とかいうセットを注文したところ、20円追加で飲み物のサイズをMからLに変更できるとのこと。驚きました、上乗せ分はほぼ原価かな。

当店も似たような値付けをしております。ワインです。ペアリングで7種類のワイン(1種類日本酒)をご用意しておりますが、仕入れ値1万円ぐらいのものを4種類ぐらい入れております。飲食店は水商売みたいなところがあります。ワインは仕入れ値の2~3倍が”常識”です。私は常識がないので・笑、ワインで利益は考えていません。

高いワインだからといってお客様の口に合うかどうかは分かりません。ただ、ご自宅で高額なワインを開けるのは、合わせる料理も難しいですし、口に合わなかった時の落胆も大きいです。

当店でお飲み頂けば、もしお口に合わなかったとしても、こういう味わいのワインもあるんだね、と経験の一つになりますし、グラスで少しなので落胆も相対的に少ないと思います。

ペアリング、50mlで5,000円、75mlで7,500円、決して安くありませんが、楽しい経験があると思います。是非お試しくださいませ。

ご参考までに、スマホアプリでワインのエチケットを写真撮影するだけで、そのワインがいくらで流通しているか、世界平均が分かるものがあります。そういうアプリを使うと、ワインに詳しくなくても、違った楽しみ方が生まれるかと思います。決して難しい飲み物ではありません。楽しい飲み物だと思います。

エゴサーチ

新しいコーナー作りました・笑

年に数回行っております。お客様のご意見に真摯に耳を傾け、日々業務改善しております!(優等生的発言)

今日は臭みについてです。臭かった、というコメントを1件拝見しましたので。基本的に、いえ、個人的には絶対に臭い食材は使っておりません、従いましてお出ししていません、正確にはお出ししていないはずです。かといってお客様が嘘を付いているはずもありません。ではどういうことか。

ワインが原因かと思います。詳細は割愛しますが、ワインに含まれる2価鉄イオンと魚介の脂質が重なったとき、脂質の酸化が瞬時に進み、臭みとなります。鼻をつまんで口にすれば大丈夫ですが、、、味ではなく臭いですね。脂質と言ってもノドグロに代表されるような所謂魚の脂だけでなく、例えば鮭の卵”いくら”は脂のかたまりです。このような食材にワインを合わせる際はきちんと選ぶ必要があります。

2018年は、当店はペアリングをきちんと行っていませんでした。皿数重視の料理構成だったためです。そういう意味では上記の「臭かった」は氷山の一角かもしれません。

あと、オリーブオイルやバターを使ったお皿は臭みが発生しにくいことも専門機関の研究で分かっています。当店はオイルやバターをほとんど使っていないため、ワインと合わせる際に臭みが発生しやすいというのもあります。

そういう話になると、じゃぁ、和食とワインは相性悪いか、という疑問が湧いてきますが、ある製法で作られたワイン以外は相性が悪いです。ある製法の一つにシャンパーニュ製法が挙げられます。シャンパーニュと和食・鮨は比較的相性がいいです。

2019年からはきちんとペアリングでワインをご提供しております。エゴサーチしても 今年に入ってからの「臭かった」は見つかっていません。ワインを嗜みながら食事を楽しみたい方は是非ペアリングをお試しくださいませ。高価なワインも出てきますよ。

余談ですが、エゴサーチしてて面白いコメントを見つけました。2月に”41度で1時間低温調理した鰆”というお皿をお出ししていたのですが、このお皿のタイトルが”鰆の長風呂”。

閑話

一組目のお客様が7:30にお帰りになり、二組目のお客様が8:00のご予約、ということで、少し時間が空いてしまったので日記を・笑。

昨日は来月の試作をいろいろ行っていたのですが、片づけて、さぁ、何か夕飯を作ろうか、という気に夫婦二人ともなれず、ウーバーイーツで天丼を頼んでみました。すると、蓋にマジックで”Thank you”と書かれており、手書きの飲み放題クーポンが入っていました。

今日は、姉妹店のちらし鮨の競合店調査という目的で、名古屋パルコに新しく入った回転寿司店へ。普通の握りも巻物も”子供カット”というオプションがあって、4歳の子供が丁度食べられるサイズにカットしてくれるサービス。外食で久々に感動。

みんな頑張ってるなぁ、と改めて、しみじみ。

最近の外食は、当店と同価格帯の所ばかり行っていましたが、どこに行っても参考になることはありますね。気持ちを新たにまた頑張ります。6月も応援よろしくお願いします。おっとお店の前でタクシーが止まったぞ。

閑話

少し前にネットニュースで大きく取り上げられたバイトテロ。

私が雇い入れている方の一人に、宅配寿司店で、それなりの地位まで登り詰めた方がいました。銀の・・・です・笑。宅配寿司のシェアを半分以上持っているマンモスすし店です。利用されたことのある方も多いと思います。

その方とはよく口論になりました。「鮪は冷凍使った方がいいですよ、ロスがなくなりますから、銀の・・・では私が仕入任されてから全部冷凍に代えました」「巻物は酢飯とネタの割合は70:30がベストです、大手の回転寿司はだいたい80:20です。コストの問題で。銀の・・・は高級宅配寿司なので具が多いんです」「白身は冷凍のフィレになっているものを仕入れれば、魚を捌く手間が省けます」「おぼろは化学調味料使った方が色が映えますよ」

それに対し私たちは「冷凍ものは使いません」「巻物の酢飯とネタの割合は60:40でお願いします」などと応えます。品質に関わる部分は譲れません。

大手の寿司店はコスト優先です。それはそれで低価格で寿司をお客様に提供している点で素晴らしいことです。しかし、寿司が大好きで大手に社員やバイトとして働き始め、何もかもコスト、コストと言われたらどんな気持ちになるでしょうか。ひどい寿司店になると、脂のない低品質な鮪にサラダ脂を塗って”トロ”としています。従業員がこの店の寿司はひどい、それを世の中に知らしめたい、と思っても不思議ではありません。その手段がネットニュースになったようなやり方は間違っているとは思いますが・・・。

バイトテロを起こした方、もしかしたら寿司に情熱をもっていた方かもしれません。同じ業界で働き、大手寿司店の裏事情を知る者としての、違った角度からの見方をお伝えしたく、今日はこのような記事となりました。