大失敗

本日、姉妹店の名古屋前ちらし鮨 粋はリニューアルオープンとなりました(細かい部分が未完成ですが、お客様をお迎えできる状況にはなりました、が、ご来店は来週の金曜以降がお勧めです)。

たった一年で大幅なリニューアル、その理由は私の失策が重なり、大失敗のお店となってしまったためです。

少々暗い話にはなりますが、私は父親が早くに障害者となりました、失語症と手足の不自由、あと表情がやや不自然。子供ながらにいろいろ思い感じることがあったわけですが、身近にいて分かったこと、それは、生活における不自由さそのものではなく、働けないこと、仕事できないこと、つまり、誰かの役に立てないこと、これが本当に辛そうでした。ですので、いつか障害者が気持ちよく働けるような職場を作りたい、頭の片隅にはそんなことがありました。

お陰様で、魚介のイタリア料理murataはお客様に恵まれたので、機は熟したかな、と思い、障害者だけで運営する飲食店の構想を練りました。自分の父親をイメージしていたので、お客様と店員との接触を極力避ける、サービスは極力簡素化する、そんな内装やシステムにしてみました。

何人かの障害者の方と面談しました。そこで私の考えの甘さを痛感させられました。具体的には私の持つ障害に関する情報が薄く、狭すぎました。面談した多くの方は攻撃性が強く、最悪の場合暴力・暴言が出てしまう、とのこと。その対象が私だけならいいのですが、私の家族に及んでしまうとなると、もう何をやっているのか分かりません。戦力として、コンマいくつかの方が集まれば何とかなる、と思っていましたが、戦力としてマイナスの方に健常者をマンツーマンで付ければ何とかなる、そういう状況でした。

色々悩みましたが、私では力不足と結論し、私の構想はこのタイミングでは諦めることにしました。

そこで、お店を開店しなければよかったのですが、出来上がってしまった箱(内装)でやれることをやってみよう、という、たいして”思い”のない状態で人を雇い、始めてしまったので、何とも中途半端なお店になりました。

もともと障害者を雇うつもりが健常者を雇ったことで、効率を重視してしまい、とはいえやはり他人が運営していたので思うようにいかないこと、信じられないようなことが続きました。私の器が小さく、大きなストレスを感じ、妻と相談し、お店を畳むことも含め、一から自分たちの仕事・生活を考え直し、結果、思い切って投資してちらし鮨店をリニューアルする運びとなりました。

新しいお店は私と妻と、時々娘で営業する、お持ち帰りメインの、お好みのネタをお客様にお選びいただくちらし鮨店です。旅行が旅行そのものだけでなく旅行の準備が楽しいように、食べるときだけでなく、選ぶことを楽しんでいただけるようなコンセプトの店構えです。お時間ございましたら是非足をお運びくださいませ。楽しい時間を過ごしていただけるよう努めます。応援、よろしくお願いいたします。

そんな中本日、雑誌の取材の依頼をいただきました、あざーす!(←このセリフを一回使ってみたかっただけです、お客様に向かって口にすることありませんのでご安心下さい・笑)

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