閑話

少し前にネットニュースで大きく取り上げられたバイトテロ。

私が雇い入れている方の一人に、宅配寿司店で、それなりの地位まで登り詰めた方がいました。銀の・・・です・笑。宅配寿司のシェアを半分以上持っているマンモスすし店です。利用されたことのある方も多いと思います。

その方とはよく口論になりました。「鮪は冷凍使った方がいいですよ、ロスがなくなりますから、銀の・・・では私が仕入任されてから全部冷凍に代えました」「巻物は酢飯とネタの割合は70:30がベストです、大手の回転寿司はだいたい80:20です。コストの問題で。銀の・・・は高級宅配寿司なので具が多いんです」「白身は冷凍のフィレになっているものを仕入れれば、魚を捌く手間が省けます」「おぼろは化学調味料使った方が色が映えますよ」

それに対し私たちは「冷凍ものは使いません」「巻物の酢飯とネタの割合は60:40でお願いします」などと応えます。品質に関わる部分は譲れません。

大手の寿司店はコスト優先です。それはそれで低価格で寿司をお客様に提供している点で素晴らしいことです。しかし、寿司が大好きで大手に社員やバイトとして働き始め、何もかもコスト、コストと言われたらどんな気持ちになるでしょうか。ひどい寿司店になると、脂のない低品質な鮪にサラダ脂を塗って”トロ”としています。従業員がこの店の寿司はひどい、それを世の中に知らしめたい、と思っても不思議ではありません。その手段がネットニュースになったようなやり方は間違っているとは思いますが・・・。

バイトテロを起こした方、もしかしたら寿司に情熱をもっていた方かもしれません。同じ業界で働き、大手寿司店の裏事情を知る者としての、違った角度からの見方をお伝えしたく、今日はこのような記事となりました。

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